思記 / @southwisteria の日記

流れに逆らう舟のように

栗城史多さんの評価はなぜ二分するのか

二分する栗城さんの評価 登山家の栗城史多さんが亡くなった。数年前に駒場で少人数の講演会をしてくださった時のことを思い出す。人懐っこい笑顔が印象的で、ああこの人がたくさんの仲間を集められる理由もわかるな、と思える素敵な方だった。それだけに今回…

矯正から共生へ -我々はいかに共にあるか-

切り分ける重要性 僕は論理的な人間だとよく言われる。言語化を好むともよく言われる。そしてたまに「論理だけが全てじゃないよ」「なんでも言葉にできるって思わないで」と諭される。お言葉ですが、と僕は心の中で思う。そんなことは僕は百も承知である。僕…

分解・理解・再構築-春から大学生の君に僕が伝えたいこと-

4年前の僕に贈る言葉 桜がほころぶ季節となった。春は新天地に身を投じる季節でもある。今回は、大学生活5年目を迎えようとする僕が、大学生活をこれから始めようとする人々に向けた文章を書きたい。とはいえ春から大学生になる人をぼんやり想像して一般論を…

メイヤスーと大澤真幸とBUMP OF CHICKEN

はじめに 僕の世代でBUMP OF CHICKENが好きな人は多いだろう。僕もその一人である。その中でも特に好きなのが「カルマ」である。以下に歌詞の一部を引用する。 ガラス玉ひとつ落とされた 追いかけてもうひとつ落っこちたひとつ分の陽だまりに ひとつだけ残っ…

「巨人」のいない国で -「否定と肯定」批評-

「否定と肯定」(原題: "Denial")を鑑賞した。今回はこの映画について書きたい。以下の拙文はネタバレを一部含みうるため、気になる方は鑑賞後にお読みいただければ幸いである。尤も、以下の文章を読んだことによって映画の面白さが減じることはないように思…

ノートの取り方と他者理解

崎門とノート 先日崎門について学ぶ機会があった。崎門とは江戸時代前期の南学派の朱子学者、山崎闇斎の門下のことである。山崎闇斎の思想自体についてはここでは割愛させていただきたい。ここで紹介したいのは、崎門の特徴についてである。山崎闇斎は徹底し…

「泣き寝入り」という救済

とある青年の物語 それはよく晴れた夏の終わりのサンクトペテルブルクでのことだった。ネフスキー大通りを進み、モイカ川にかかる橋を渡っていたその時、雑誌売りの男が青年の右側から近寄ってきた。その男は手に持っていた雑誌を強引に押し付けてくる。閉口…

「虚構」と「虚構」の間で ~改めてG1カレッジ論争を振り返る~

再開にあたって 少しだけ執筆から離れるつもりが、思いがけず長い休みとなってしまった。僕の文章を期待してくれている人はそうたくさんいないだろうとはいえ、仮にも「日記」と題するものを二ヶ月以上も放置していたのはいただけない。この期間中、書きたい…

「提案主義」と「批判主義」

はじめに 前回の記事で、G1と僕の「前提」の違いを洗い出す作業を試みることを宣言した。この作業を始める上で、まず、tvsjohnさんから頂いた応答に着目したい。一部を抜粋する。なお、ここでいう「価値体系」は、前回の記事で取り上げた「前提」とほぼ置き…

「わからない」のは「難しい」から?

先日、G1カレッジのあり方に対する批判的な投稿をしたところ、様々な方面から様々なリアクションがあった。その過程で思うところがあったので、文章にしたい。これは「様々な」リアクションに対する直接的な回答ではなく、それらを踏まえた上で、今後の回答…

提案よりも批判を ~G1カレッジ批判~

G1カレッジで覚えた違和感 昨日、G1カレッジのリユニオンに参加した。G1カレッジとは簡単に言えばG1サミットの学生版である。ではG1サミットとは何か。ホームページから引用する。 混迷する世界にあって、次世代を担うリーダー層が集い、学び、議論し、日本…

基地問題から考える論理と価値

M君の語る沖縄 先日、留学帰りの僕とぜひ話したいということで後輩のM君が声をかけてくれた。渋谷のマクドナルドで語らう僕らはきっと高校生に見えたに違いない。今日はその時の話をする。詳細は伏せるが、M君は友人と共に沖縄に行き、基地問題について多く…

注目する責任について

母校との思わぬ出会い 先日、何の気なしにツイッターを見ていたら、母校の校長先生が書いた論文がシェアされてきた。「謂れのない圧力の中で」と題されたこの論文はツイッター上で爆発的にシェアされた。特に知識人層を中心に、校長の毅然とした対応を賞賛す…

「正しい自分史」という暴力

「留学どうだった?」 先日、心から尊敬する友人の一人と語らう機会があった。その帰り際に、印象的な言葉があった。 僕は数ヶ月前に留学を終えたばかりである。だから帰国後の会話は多くの場合、留学について僕が聞かれるという形式になる。しかしその会で…

ラルンガルゴンパ旅行記⑥

前回の続きです。未読の方はまず、以下の記事をお読みください。 「ラルンガルゴンパ旅行記①」 「ラルンガルゴンパ旅行記②」 「ラルンガルゴンパ旅行記③」 「ラルンガルゴンパ旅行記④」 「ラルンガルゴンパ旅行記⑤」 これがこのシリーズの最終話になると思い…

ラルンガルゴンパ旅行記⑤

前回の続きです。未読の方はまず、以下の記事をお読みください。 「ラルンガルゴンパ旅行記①」 「ラルンガルゴンパ旅行記②」 「ラルンガルゴンパ旅行記③」 「ラルンガルゴンパ旅行記④」 こんなに長くなるとは… 急展開 2017年7月3日。起きたのは6時半を少し過…

ラルンガルゴンパ旅行記④

前回の続きです。未読の方は以下の記事からまずはお読みください。 「ラルンガルゴンパ旅行記①」 「ラルンガルゴンパ旅行記②」 「ラルンガルゴンパ旅行記③」 検問室にて 道沿いの検問室には10名弱の公安がいた。彼らは皆黒ずくめの服装をしており、ぎょろり…

ラルンガルゴンパ旅行記③

前回の続きとなります。以下の記事を未読の方はそちらからどうぞ。 「ラルンガルゴンパ旅行記①」 「ラルンガルゴンパ旅行記②」 思いがけない始まり 検問は思いがけないところから始まった。ワンゼに着く少し前、バスの助手席に当たる部分に乗っていた人(スタ…

ラルンガルゴンパ旅行記②

前回の続き。「ラルンガルゴンパ旅行記①」を未読の方はぜひそちらからどうぞ。 出発前夜 思いの外簡単にチケットを得られてホクホク顔の我々に現実を突きつけたのは、その日ドミトリーでルームメイトになった日本人のAさんである。Aさんはもう五年近くバック…

ラルンガルゴンパ旅行記①

まえがき ラルンガルゴンパ(以下ラルン)という場所をご存知だろうか。ラルンは、四川省甘孜藏族自治州の色達郡にあるチベット仏教の僧院である。中国語では五明佛学院と表記される。日本語ではなかなか情報がないので、詳細は以下を参考にしてほしい。 baike…

Hello World

日々の生活で感じたことを気楽に綴っていこうと思います。どうぞご贔屓に。